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アラスカ便り

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渡る鳥と渡らない鳥、そもそもなにが違う!?

こんにちは。AlaskaガイドのTacoです。今日は鳥の観察をしてみましょう。まずこの鳥は、日本にもいるカラフトライチョウです。
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ぼくが近づいても一向に逃げる気配がありません。
彼らは、もう自分の中で変身を遂げたつもりになっているのです。
そして、僕には見つかっていない「つもり」でいます。

変身とは、夏毛から真っ白の冬毛にかわることです。


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みずから背中の夏毛をむしり取り、はやく冬毛に変わりたいヤツ



【渡り鳥と渡らない鳥の違い その1】
1.まず渡らない鳥は、その生きる環境が、四季で変わります。それに自身を合わせるということをするのです(例外は多々あり)。
ここでの例は、換毛ですね。夏毛と冬毛で見栄えが違います。

それに対して渡る鳥は、温かいところをもとめて移動するので、基本的に白くなる必要はないですね。


では、次を見てみましょう。


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この鳥はわかりますか?ハチドリです。
なんとアラスカにもハチドリが渡ってきます。
イメージ通り、暖かい地方にいる鳥なので、南東アラスカのしかもかなり南寄りの方にしか渡ってきませんが、アラスカの無人島に上陸したとき僕は、この鳥を見て、新種かと思ったくらいびっくりしました。「アラスカにハチドリがいるなんて…」この鳥は、渡る鳥ですね。

では、なぜこのハチドリがアラスカに来るかと言うと、

【渡り鳥と渡らない鳥の違い その2】2,渡ったその先に、季節的な彼らのためだけの食べ物がある。ということです。

写真の花、西洋オダマキは、虫だけでなくハチドリのためにも進化しています。
ちょうどハチドリがくちばしを蜜腺まで伸ばしたときに、ちょこっとハチドリの頭の上に、花粉を乗っけさせてもらうようにしているんですね。
そして次の花にハチドリが移動したときに、頭の花粉が別の花の雌しべに付いて、受粉できるようになっています。
自然ってスゴい!


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ワタリガラスの羽(かなり明るい環境で撮影しているので茶色に見えますね。)


【渡り鳥と渡らない鳥の違い その3】渡る鳥の羽根は、飛ぶためだけに作られたようなスペシャルな構造を持っている。

特に長距離を移動する鳥の羽根は、含気骨といって、芯の部分が中空構造の羽、そして、羽の毛一本一本に鈎状のつめがついていて、ぴたっと揃うようになっています。伝わるかなぁ…なので、ボサッとならないよう、風を切れる羽(風切羽)になっている羽がちゃんとしてます。

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渡らない鳥であるフクロウの羽は、対してボサッとなってます。

わかります?ピシャ(渡る鳥)、と、ボサっ(渡らない鳥) です。
さっきのライチョウも渡らない鳥で、あまり飛ぶための羽として作られていません。なので、ボサッです。

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他には、このツンドラハヤブサは、子が育ったらさっさと南に下ります。
そのため、親は大急ぎで子供を育てます。

【渡り鳥と渡らない鳥の違い その4】渡り鳥の仔の成長は、渡らない鳥にくらべて早いものが多い。(例外はもちろんあり)
例外として白鳥やツルの仲間は渡る鳥ですが、遅いですね。体が大きいからでしょうかね。

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タイトルにしておきながら、いまさらですが、、、
鳥は本当に生き方が多様なので、渡る鳥と渡らない鳥で、違いが明確に出るわけではないのです。

たとえば上の写真の鳥は、渡る鳥ですが、白い色をしています。これはアラスカのまだ雪が残る4月、かなり早くに南から渡ってくるユキホオジロという鳥です。渡ったその先がまだ雪の覆われている場所であるために、おそらく体が白いと言えます。このように、自身のリズムに合わせた、鳥それぞれの生き方というのがあるのですね。っていうまとめ方でいいですか?


このタイトルで書き出したものの、やはり、わかってはいましたが、結局、鳥をまとめるというのは、非常に難しいことでありました。

ではまた。

by AandPTOURS | 2021-06-18 07:50 | 動物

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