鷲を愛する男
こんにちは。AlaskaガイドのTacoです。
今日はちょっぴりシリアスな話題です。たまには、いいですよね?

アラスカのホーマーという漁村に、私の知人スティーブさんが住んでいます。
アラスカでは過去に、人間がとる魚を食べ過ぎるという理由から、1万羽ものハクトウワシが、銃殺された歴史があります。これは、完全な人間の都合でした。
アラスカでは有名な、イーグルレディことジーン・キーンは、この、人間の身勝手な行為に対して立ち上がり、冬の間、餓死してしまいやすいハクトウワシを救うべく、また、人間のそのような行為に対してNOを強く主張した、かっこいい女性でした。
彼女は2010年に亡くなりましたが、ぼくは生前彼女に会い、話を聞いて、
「人間の都合で一つの動物種を絶滅させること」
がいかに愚かなことかを彼女から学びました。
そして、写真のスティーブさんは、ジーン・キーンの意思を継ぎ、ハクトウワシを保護し続けた、かっこいい男です。
残念なことに、ホーマーの市議会は、野生のハクトウワシへの餌やりを禁止してしまいました。
たしかに、いろんな言いぶんがあります。また、野生は野生のままにするべきなのかもしれません。
しかし、おおく自然を蹂躙してきた西洋人の中にも、たしかに慈愛の精神をもった気高い人々が、アラスカには多くいたし、いまでもたくさんいるのです。
そういうことを、今日、わたしは言いたかったのでありました。

市場と連絡を取り合い、残った魚をもらいに行く話をしているスティーブさん