アラスカの鉱山
こんにちは。AlaskaガイドのTacoです。
今日は、僕がアラスカ大学の学生のころ、写真クラスの授業課題でレポートした、ケニコットという鉱山の街のお話です。写真はちなみに情緒を出すため、セピア仕上げにしましたが、クラスでも評判良かったです。
いや、この銅山入り口までのハイキングトレイル、富士山往復よりもきつかったです。
たぶん当時の人々は、入り口に野営キャンプを張って、週単位で働いてたんじゃないかな。毎日町と銅山を行き来するなんて、それは無理な話です。

町のシンボルとなっている銅の精製施設
Kennecott の町はセント・エライアス国立公園の内に位置しています。
ゴールドラッシュより半世紀、1900年に2人の採掘者により、アラスカに良質な銅山があるという情報がニューヨークに伝わります。
Stephen Barch という若い採掘エンジニアによってその採掘権は買われ、いまは超有名なJ.P.Morgan (JPモルガン)などの巨大な会社の協力のもと、即座にインフラが整えられ、採掘は開始されました。その銅を精製する場所として誕生したのがこの町ケニコットです。
しかし、鉱脈を早い段階で取り尽くし、1938年秋には閉山。最後の銅を積んだ列車が去り、町はゴーストタウンとなっています。

ケニコットの町の位置

澄んだきれいな小川沿いに、廃墟が立ち並ぶ

鉱山の入り口
掘り出された銅の原石は、ここから下の町まで運ばれます。

原石輸送のための滑車

当時使用されたものが、誰も管理すること無く、そのまま置かれている。

採掘場への入り口
いまは完全に閉鎖されており、入ってゆくことができない。
腰をかがめなければ歩けないほど天井は低く、当時の人達の苦労が伺われます。

精製所
ここで掘り出された銅の原石を精製する。

ジブリ映画ラピュタのシーンに出てきそうな、傾いた木製の鉄道橋
このような銅山や鉛、金山、炭鉱など、アラスカには天然資源を採掘していた箇所が山ほどあり、ここはその一つに過ぎません。いまでも採掘している場所は多く残っていますが、飛行機で移動できるようになったため、採掘現場の隣に街を作るということはなくなりました。
アラスカの短い歴史を通してみると、人々はアラスカの自然から多くの恵みを得ていて、それで豊かになっていることがよく分かるのです。