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アラスカ便り

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北米最北の街 バロー

こんにちは。AlaskaガイドのTacoです。

今日は、北米大陸のいちばん北にある街、バローを訪れたときのお話です。

米国最北の町

(大陸の一番北に表示されているのがバローの町)

つい最近30年ほど前まで、先住民たちはこの町を拠点とした狩猟と採集の暮らしを営んでいたそうです。

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クジラの骨で作られたアーチ

バローという町の紹介写真などで必ず見つけるこのオブジェクト。今では町のシンボルになっていますが、昔から住む現地の人に聞いたところ、誰かがおもしろがって始めたら、いつの間にか有名になってしまったそうです。

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バローの街並


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氷に穴を開けて、アイスフィッシングをしていたバローの子供



【2010年のTaco日記】

上の写真のように送電線と小さな家屋が、まるで日本の田舎町のようだった。10年前のちょうど2000年にこの町にきたことがあるという女性と街で話をした。韓国から来て、現在は町のレストランで働いているという。彼女の話しによると、現在は10年前の人々の暮らしがほとんど見られないという。クジラ漁も人々の生活のための手段から、観光客を交えたひとつのイベントのようになってしまったそうだ。ほかにも、住民は車を持ち、子は他の都会の大学へ行くようになっている。近代化の波が昔の暮らしを一掃してしまったのだそうだ。

また、アラスカの全住民にはPFD (Permanent Fund Dividend=アラスカから産出された石油による利益を毎年人々に還元するプログラム)という特権があるが、原住民であるイヌピアックエスキモー(Inupiaq)の人々は、それ以外の人々の3〜4倍もらっているという。その額は何もせずに毎年50万円もらえるのと同じくらいだ。

もちろん彼ら本来の文化を維持しようとダンス(伝統舞踊)や伝統工芸の出展などの催しを頻繁に行っているそうだが、それが本来の生活の一部に戻るようなことはもうないのだろう。

やや悲観的な内容になってしまいましたが、僕の印象では、街の人々は幸せそうな人が多かったですね。先住民独自の文化を守ろうとする、外野の現代人は、ややもすると、自分たちのエゴに陥りやすいと言えるかもしれませんね。


by AandPTOURS | 2020-12-04 00:01 | 自然

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