冬眠と冬ごもり、何が違うの?
こんにちは。AlaskaガイドのTacoです。
今日は、写真少なめの、文章記述です。みなさん、想像を膨らませてみてくださいね!
さて、みなさんのお住まいの地域には、クマは出没しますか?
なぜこの11月にヒグマの話をするかと言うと、ちょうどこの季節が、ほとんどのアラスカのヒグマが冬ごもりに入る時期だからです。
ヒグマはちなみに、正確には冬眠をしません。
え?ヒグマって冬眠しないの?と思われる方も多いと思いますが、ヒグマが行っているのは、冬の間の冬眠ではなく、「冬の穴ごもり」です。
冬眠と穴ごもりって何が違うの?という疑問があります。
冬眠は、一部のカエルやネズミ・リスなどの間で行われる、「仮死状態で越冬する」というのが本当の冬眠です。
冬ごもりはというと、うつらうつら状態で、ボケーッとしたまま穴蔵で冬をやり過ごすというものです。この場合、当然あたたかければ、冬でも穴から出て、あたりを徘徊します。
もうすこし細かいことをいえば、冬眠(hibernation)の場合は、体温を下げ、血糖値を半端なく引き上げ、呼吸もしないような状態で、しかし血液は糖度が高いために凝結せずに身体の中を対流しつづけ、地中で生きながらえる、いわば生命の究極のサバイバル術といえます。
これに対して「冬ごもり」は、呼吸数を一分間に一回、心拍を数回に下げ、代謝を極めて落とした状態で耐える、というものです。
この冬眠と冬ごもりの違い、わかりますか?
簡単に言ってしまえば、冬眠は仮死状態。冬ごもりはただただじっとしている、というものです。
あのアメリカのNASAは、この冬眠の神秘を解明すべく、かなりの資金をつぎ込んで研究をしています。つまり、遠い惑星に移動する際に、ヒトが冬眠を安全にできるようになれば、どこへでもいけるようになる、という仮説があるのでしょうね。
変な質問ですが、みなさんが野生下で冬を乗り切らなければいけなくなったら、どちらが良いですか?って、選べるもんじゃないですけどね。